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- 【ネタバレ】エントリー制 4
- muguet 2014/01/16 このレビューを 11人の方が参考にしています。
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最初に「この人」と決めてその人とだけお付き合いする、というのが日本の文化ですが、欧米では何人かの「恋人候補」とお付き合いをしながら「この人」に値する人を見つける、という始まりも普通にあるそうです。何回か観劇に行ったり食事に行ったりのデートをするというのは「この人で良いのか」という確認作業であり、そうした期間の二人の関係は「恋人になるかもしれない親しい友人」であっても「恋人」ではないらしく、「あなたとは恋人としての付き合いはできません」という結論に至っても、これは取り立てて不誠実と言うほどでもなく、むしろ決断しているにも関わらず、相手に期待を持たせたまま、キープし続けるほうが不誠実なのだとか。もちろん確認作業中に体の関係まで持ってしまうのはNGとする人々もいますし、それでも双方が合意していればOKとしてしまう人々もいる。自分はNGだという考えでいるけれど、相手がどうだかはわからない。だからこそHQのヒロインは「愛している」の言葉を求めるのでしょうね。それがなければ(失われれば)親しい友人でしかなくなってしまうから。私は日本人なのでついそういうのを忘れて「最初に関係を整理してからにしようよ~」と思ったり、逆に「言葉なんかなくたって愛されてるのはわかるでしょう」と思ってしまうこともありますが。まあ、今回の場合は本当に、ヒーローはヒロインの妹のそれほど熱心でもない信奉者の一人であって恋人ではなかったわけですから、彼にはそもそも整理するもしないもなかったのかもしれません。エントリーしたけれど、テストは棄権した、程度の。ああ、でも棄権した宣言はあってもよかったのかな。棄権しますって言われても、それでどうするという関係もなければ普通は困るだけかもしれませんが。それにしてもヒロインの姉妹は凄い。ここまで一貫して「人の価値は美醜です」だとかえって清々しいです。姉妹とおそらく同類だったヒロイン兄に、宗旨替えさせる何かあったのか、今はそれが気になります。
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- 生まれは選べない 4
- muguet 2014/01/16 このレビューを 15人の方が参考にしています。
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向き不向きってあると思います。向かないのに責任感だけで必死にしがみつけば見苦しいと言われる。でも向かないからと身を引こうとすれば無責任と言われる。なぜなら、傍目には王女に生まれたということは幸運に見えるから。「捨てるなんて許さない」と無責任にも言うわけです。責任を負うのはこの場合女王だけじゃなくて国民もなんだけどなあ。自他ともに「向いていない」ことがはっきりしているのに、そこにいなくてはならないなんて、誰にとってもまったく幸いじゃないです。王女なのに王女には向いていないということはそれ単体では罪ではないけれど、即位した女王が無能であるのは時に罪になります。王に王の資質がなかったら、最悪です。それを考えれば、ヒロインの身の処し方は良くはないけれど、是かな、と思いました。穏便な家督譲位ですもん。そしてヒロイン妹には「さすが、女王の資質のある人は違う!」と思わされました。
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- 拝啓 ヒーロー様 4
- muguet 2014/01/13 このレビューを 15人の方が参考にしています。
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下ネタで笑いを取ることで人と近づこうとするヒーローの精神年齢は確かに低いです。ヒロインへの押しの強さも、彼女への愛情というより、気に入ったおもちゃへの執着のようにも見えて嫌でした。ヒロインが自虐ネタを楽しいとは思えないことを知っているのに、ゲームでのあの態度には正直ドン引きです。でも、まあ、笑いを偏重する人ってだいたい「えー、楽しいのに、何で? 別にいいじゃん」って言いますからねぇ。ただ、それをヒロインから指摘されたときに受けた衝撃の方向が、彼の場合は素敵でした。「僕がこういう人間だって知ってるはずなのに、怒るなんてヒドい! 過去だって打ち明けたのに!!」「ああ、ごめんなさい。わかってあげられなかった私を許して!」的展開に食傷気味だったときに読んだからかもしれませんが、そこだけは好感が持てました。とはいっても、ヒロインは基本真面目にこつこつと積み上げてゆくことに喜びを見出すタイプのようなので、今後ともどうぞ彼女にあまり無理はさせないでくださいませ、と願う結末です。
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- 【ネタバレ】ヒーロー、君は小舅か 4
- muguet 2014/01/07 このレビューを 8人の方が参考にしています。
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ヒーローの大人げない態度にすこぶる嫌悪感を覚えてしまったので、ロマンスとしては楽しめませんでした。だって彼の態度はヒロインに対して逐一喧嘩腰で、読んでいるだけでイライラさせられるのだもの。子供っぽい感情を、大人の屁理屈でコーティングしてぶつけては、「実は好きだったから」というのでは、ティーンエイジャーです。前妻への恨み辛みから無関係なヒロインにあたる、くらいは、ハーレクイン的にはよくあるお話なのですが、こんなふうに些細なことに口出しばかりしてくる小舅のようなヒーローというのは、珍しいように思いました。ある意味では新鮮なキャラクターなのかしら。でも、ちょっぴり無神経な父とどこか無気力な娘の試行錯誤しながらの親子関係の再構築は面白いです。双方頑なな父と娘の歩み寄りには、あのヒーローが必要だったのでしょう。今後もH/Hは些細なことで仲良く喧嘩しながら暮らしてゆくのでしょうね。言いたいことを言いたいときに言いたいように言いたくれ言う。私はそんな関係、気が休まらなくて嫌ですが、ヒロインはそういう生活に楽しさを見出しているようなので、その点は良かったです。
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- 【ネタバレ】納得 5
- muguet 2014/01/06 このレビューを 15人の方が参考にしています。
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これは拗れるわー、と納妙に得しました。人工授精の精子の提供者が義理の息子だったらパニック起こして家出するのも無理はないです。義理の息子はそれを認知してもいませんし。しかもそれが便宜結婚で、かつ仄かに憧れている人が精子の提供者だったわけです。「いやーん、超ラッキー!」とそこに留まれるには、よほど面の皮が厚くないとできませんよね。自分の精子が勝手に使われて義母が妊娠しているというのは、さらにパニックでしょうよ。その義母を、なんとはなくであっても異性として意識にしていたのなら、なおさら混乱するでしょうね…。勝手に精子を使われたということも、女性に置き換えるなら「処女受胎」くらいの衝撃はあったのではないかと…。「内側から穢された」という彼の言葉が全てを物語っている感じがしました。どちらもが混乱している中で和解の儀式のように関係を持ったけれど、互いのことは上面しか知らないとなれば、その後もぎくしゃくしますよね。解決してよかったです。ところで父親の後妻と息子って結婚できるのかしら。直系姻族との婚姻は、イギリスもニュージーランドも日本と同じくNGだったような気が…記憶違い? そこだけはちょっと心配。(追記:どうしても気になってしまったので原作を読みました。ある意味これも究極の愛、ですね。原作も電子書籍化していただけるとよいのになあ…)
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- コメディです 4
- muguet 2013/12/30 このレビューを 1人の方が参考にしています。
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まず、「すごいヒロイン」だと思いました。火のような女性です。でも、可愛らしさも覚えました。たぶん、彼女には裏も表もないからでしょうね。真っ正直で「適当にあしらう」とか「受けずに流す」とかそういうことが極端に苦手で、何に対しても全力で向かっちゃう。しかも反応速度が並じゃない。バイタリティ溢れすぎ。ある意味では敵役の彼女ともよく似たタイプなんですけど、ヒロインにはまったく悪意が感じられなくて、そのせいで憎めないのかも。冒頭の裏切りがなんであったのかが判明したときは、あまりにあまりな原因で、声をあげて笑ってしまいました。ジャケット、可哀想すぎる…(笑)
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- 【ネタバレ】一生懸命、自滅する 2
- muguet 2013/12/23 このレビューを 14人の方が参考にしています。
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ヒロインの個性があまりにも身勝手で幼くて、ちょっと受け付けなかったです。これが社会経験のまったくない女の子なら今後の伸びしろを期待できるのだけれど、いい大人がこれでは……全二作のヒロインとの対比的にも、彼女がこうである設定上の理由はわからなくもないのですが、それにしてもヒドい。親友たちが抜けて会社が傾いたのはニックのせいだけじゃなくて、彼女の手腕、というか、ようするに彼女はお馬鹿さんで、それが顧客の信頼を失わせているところも大いにあるように思います。小越先生のコメディに救われているけれど、それがなければハートはゼロかも…
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- 【ネタバレ】救われるけど、救われない… 4
- muguet 2013/12/23 このレビューを 16人の方が参考にしています。
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ある程度推測がつくかと思いますが、舞台が産科、恋愛の障害となるものが病なので、全てが創作であることを念頭に作品として味わうことが大前提。まあ、どんなお話でもそうなのですが、この作品はとくにそう感じました。ヒロインが重荷から解放されて幸せになれたこと、解き放たれるための一歩を踏み出すきっかけを与えてくれたのがヒーローの誠実さであることを、私は「ああ良かった」と思うのですが……。脇役たちがそれぞれが抱えている不幸や悲劇は解決されないので、そういった登場人物たちへのせめて精神的なフォローが描かれていれば、もっと安心してお話の世界に浸りきることができたのかな、と思いました。たとえば舞台が華やかな社交界で、恋愛の障害が病的に頑固な姑とか意地悪な継母とか根性曲りの恋敵、あるいはH/Hの一途な勘違いなら手放しに「よっしゃー!!」と思えることも、敵役のないお話だと切ないですね。
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- 【ネタバレ】恋愛は永遠である。それが持続するかぎりは 4
- muguet 2013/12/04 このレビューを 16人の方が参考にしています。
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ヒロインの言い分、納得です。恋愛に限らず持続させるためには努力が必要ですし、努力していたにも関わらずダメになったのだとしたら、それは努力の方向が間違っていたからだと思います。こと、恋愛は相手があることですからね。それこそ結婚しているのでなければ、愛せなくなった相手に我慢し続ける意味もないし、「いやいや、そこを我慢してこその愛でしょう」というのなら、「じゃあ、いつまで我慢し続けたら別れ話を持ち出す許可が下りるの」ということになってしまう。そもその我慢の限界を超えたから、もう結構、となるわけで。ヒーロー弟は坊やだから大人のヒロインに焦がれて、ヒロインは大人だから坊やのヒーロー弟を愛せなくなった。ヒーローは弟可愛さで曇っていた目が徐々に晴れていってハッピーエンド、と言うのは実に自然な展開だと思います。自立した大人の女性と愛をはぐくむには、自立した大人の男になることが必須ですよ。弟くんにはぜひ、繊細な坊やを卒業し、自立した大人の男の人になってもらいたいです。
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- 【ネタバレ】ヒーローも可愛い 5
- muguet 2013/12/03 このレビューを 23人の方が参考にしています。
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子ども特有の無邪気な好奇心とおせっかいが、思春期の誇り高い少年を傷つけていた、という過去の解決に時間をかけていないのが良いなあと思いました。久しぶりに再会してみれば、あれは全部誤解だったとすぐに納得、そこからはそれぞれ未来のために努力していて、とても爽やかなお話に感じられました。頑張り屋さんのヒロインと、頑張ってきたヒーローの関係のどこにも陰湿なものはなくて、安心して楽しむことができました。個人的には、ヒロインとそうとは知らず関係を持った後、「それが昔馬鹿にしていた男だと知ったら泣くか喚くか」と考えるヒーローがツボでした。昔、大っ嫌いだった女の子にそうとは知らず恋をして軽いパニックに陥った彼に対して、ヒロインは「奇遇よね~」という余裕の態度(笑) 「援助してやろうか」という申し出にもあっけらかんと「いいえ、ありがたいけど結構」 迷いもしないヒロインに、ヒーローは迷わされていて、可愛いです。
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- 【ネタバレ】それもありかな 3
- muguet 2013/11/28 このレビューを 19人の方が参考にしています。
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ヒロインのヒーローへの要望は一貫して「常に後回しにするのはやめて」「TPOをわきまえて優先順位を決定して」なので、それが解決したので元鞘、というのはわかりやすいです。わからないのはどうしてこんなヒーローにそこまで惚れちゃったかなあというところです。親への反抗心から女遊びに走り、好きでもない相手を妊娠させ、その後の結婚生活でも円満に家庭を運営する努力は見られず、我儘な愛人のように成り果てた娘には躾を施す気配もなし。蓼食う虫も好き好きというやつなのでしょうけど、ヒロインがこのヒーローのどこを愛したのかがわかりにくくて、今一つ感情移入できませんでした。両親との間に齟齬があって寂しかったからこのヒーローで我慢していたけど、誤解が解消されたからもういらない、というあたりも微妙な気持ちになりました。自己肯定感の充足で目が覚めた、というのもわからなくもないですけどね。ヒロインがヒーローの娘を叱り飛ばす場面は嫌いじゃありません。でも、あれは、親がしてやるべきことですよ。ヒーロー、しっかりしてくださいな。
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- 【ネタバレ】読者を選ぶ絵柄ではあるのかなあ 4
- muguet 2013/10/03 このレビューを 15人の方が参考にしています。
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心優しいヒロインが生みの母に真っ向から反抗した、というのは新鮮でした。HQのヒロインは最後までそうした憤りを表明せず、その代わりに親友やら家族、ヒーローがそれを解決してくれる、というパターンのほうが圧倒的に多い印象があるので、健気なヒロインの一世一代の(?)反抗はインパクトがあります。抑えてきた感情が吹き出して、というのでもない静かなやり取りも、ヒロインの抱えている苦しさを表しているようでした。事情が明らかになってみれば、「あんたも苦労したねえ」とヒロインの母を労いたい気持ちに。定番のヒーローの空回り気味な尽力も、若いってそういう意味でもあるよねぇ、と。彼らは半世紀後にこれを黒歴史として思い返すのだと思うと、毎度くすっときます。HQはそういうところも楽しい。絵柄については好き嫌いがあるようですが、わたしはこういう絵柄も嫌いじゃありません。あえてデッサンよりもイメージを優先させたデフォルメのように感じられるからかな。この方が描くヒーローの横顔には、断片的ではありますが、初期のニールセンの挿絵のヒーローと似た雰囲気を覚えることもあって、わたしは結構好きですよ。
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- 弟を信じて妻を信じないって… 4
- muguet 2012/09/25 このレビューを 12人の方が参考にしています。
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絵も演出も気にならないのですが、酷い弟だな、と。 その弟の処分が甘すぎて、マイナス1です。最後が駆け足気味なのも少し物足りないかなあ。 ヒロインが「耐える」タイプだとどうしても独白が多くなるし、加えてヒーローが内面を見せないタイプだったりすると「動いているのは心だけ」になっちゃいますよねぇ。表情やしぐさがあからさまだと芝居がかるし(それはそれでミュージカルみたいで好き)、漫画としては描き難い題材なのかしら。小説はそれこそが醍醐味なのですけども。 私は井出先生の作品のフランス映画っぽい雰囲気、わりと好きです。癖になる感じ。
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- 【ネタバレ】嘘とロマンス 4
- muguet 2012/06/05 このレビューを 9人の方が参考にしています。
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奇跡と言うより、誤診だろうなあと私も思います。でもよほどのヤブ医者でない限り、通常セカンドオピニオンで受ける診断は「ダメ押し」的なものなので、ヒーローが再受診をしなかった気持ちもわからないでもないかな。ただ、女性が子供を欲しがるときって「愛する人のの子供」を欲しがっているのであって、誰のでもいいからとにかくほしいってわけじゃないから(HQではそういうのも多いですけど)毎度こういうタイプのヒーローには「正直になろうよ~」と思います。まあ、正直になっちゃったらHQじゃなくて「仲は良いのに子供のできない夫婦がいて」系の昔話になっちゃいますしねぇ。
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- 【ネタバレ】驚愕の結末 2
- muguet 2012/05/31 このレビューを 5人の方が参考にしています。
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絵柄が話題になっていますが、私はむしろヒロインの独善的なところが気になりました。健気といえばそうかもしれません。ヒーローのために身を引いたその行動だけを見れば、ですけれど。でも、理由も言わずに恋人から二人の関係に「先はない」などと言われたら、普通の人間は傷つきます。綺麗じゃない過去を知られたくない、綺麗な自分だけを覚えていてほしいという気持ちはわかりますが、自分を綺麗に取り繕うためにまったく罪のない相手を傷つけて、なおかつ傷つけられたかのような態度では、敵じゃなかった人も敵になりますよ~。それと貧民地区からやってきた女性の前で馬車をとめた、という演出も、すっきりしないものを覚えました。勝手に詳細な暴露記事を書かれた上に、自分への求愛を「勇気ある決断」などと評価されて喜ぶなんて、私にはちょっと想像できない心の動きでした。だって「路上生活者だった女にプロポーズするなんてすげぇよなー、あいつ」って言われてるんですよ。生まれる子供にもそれは付きまとうことになるのに、そもそもそういうのが嫌で逃げたのだろうに、と私にとっては驚愕の結末でした。
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- 【ネタバレ】心の機微 3
- muguet 2011/09/13 このレビューを 11人の方が参考にしています。
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ヒロインもヒーローとの間に子供が欲しかったから、ストレスで周期が狂っただけなのか、初期流産だったのかわからなくて、ということなのではないでしょうかねぇ…確かめればいいじゃんと思われるかもしれませんが、確かめて流産だったことが確定してしまったらやりきれないでしょうし、でもうやむやにしてしまったからトラウマになっているし、と。それに関わる話をしたくないというのは女同士ならある程度通じ合うものだけれど、男性はそういう機微がわからないんでしょうね。敬遠で押し出し逆転負けする人あり、直球勝負で討ち取られる人あり……HQの男性陣はそのあたりが特に不器用で可愛いです。親しい友人の恋バナだと思って読むと「本当に良かったねぇ」って思える話です。
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- 【ネタバレ】愛 5
- muguet 2011/07/25 このレビューを 6人の方が参考にしています。
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もしヒロインが弟を選んでいたら、弟は人の世で善き夫、善き父として次世代を育んでいったのだろうと思いました。弟にとって彼女の決断=神の御心の表れだったのかな、と。彼女は兄を選んだ=人の世で生きるべきは兄であるという託宣を得た、というような気持ちなら、弟もまたヒロインを愛していたのだと思います。ある意味、己の運命を彼女の判断に託したわけですから。でも、自分が選ばれなかった、ではなく、運命は己に「神への愛に生きる」ことを許した、と考えられるところがまさに天性の聖職者なのだと思いました。大きな愛です。とはいえやっぱりそこで「彼女はどうするかな、兄はどうするかな」と弟が冷静に考えられるところに心の余裕というか、懸命ではないものも覗えますよね。僕じゃなきゃ嫌だ!という思いにはなりえないという…。彼の魂の根源には絶対的な神への敬愛が刻まれていた、みたいな。宗教感に乏しい日本人の私は弟の敬虔さに心を洗われた気がしました。対してヒーローである兄ももちろん神に尽くすことに誇りは覚えているし否やはないけれど、だからこそヒロインを遠ざけようともするのだけれど…心に偽りを抱えて形だけ尽くされてもきっと神様も困ってしまいますしね。収まるべきところに綺麗に収まった、これぞ天の采配! 二人の愛の犠牲になっている人が誰もいないというのも「愛」だなあと思います。
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- 【ネタバレ】ヒロインの家族が問題を大きくした感じ? 4
- muguet 2011/01/16 このレビューを 12人の方が参考にしています。
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ヒーローがヒロインを一方的に傷つけているのではなく、ヒロインの一言一言が凄まじくヒーローを傷つけている点が興味深かったです。個人的にはヒロインの家族がイヤです。ヒロインの人生とひきかえの恩恵を得てきたのなら、それはヒロインに打ち明けておくべきなのではないかと思います。説明しなかったのはそれが「非道なこと」と知っていたからですよね。非道を働いて利益は手にし続けるけれど、説明はしない。そしてその始末はヒロインに押し付ける。説明がなかったからこそヒロインは普通の女性としての幸せを夢に見るし、理想とかけ離れた現実に頑なにもなる。ヒーローは強硬になるしかないでしょうし……ヒーローのお祖母さんにしてみても、今までさんざん援助させておいて嫁はこの態度かと思えば、腹に据えかねもするだろうな、と。家族って何だろうなって思いましたね。このヒロインにとっての家族ってヒーローだけなんですよね。未来永劫。それが幸せなことなのか、いや、幸せなんだろうけど、若干メリーバッドな印象がぬぐえません。
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